2024年の夏の始まりーー。
それは、僕にとって新しい何かが動き出す予兆だった。
そう思えたのは、これまでに準備してきたものが、形になってきたからだろう。
データのバックアップ環境を整備して、StableDiffusionWebUI環境を構築し、AIでイラストを描けるようにしたり、
ARカメラの開発し、名刺にARを組み込むことができたり、
5年間の月日を経てリニューアルした静岡まちなかマルシェを再始動させたり、
総合型地域スポーツクラブみんなのASOBIの活動においては、焼津市学校教育課や静岡県スポーツ協会との連携を深めていく中で、一般社団法人化したり、
ここから何かが動いていく予感が確かにあった。
目覚める幻想と繋がる現実
七月初め、僕は2つのものを開発するのに精一杯だった。一つがStable Diffusion WebUI 環境。これは、画像生成AIであるStable Diffusionをブラウザの機能で使えるようにするというもので、本来ハイスペックPCが必要なアプリケーションだが、これを使えばどんなPCでも環境を構築できる。
Stable Diffusion WebUI は、元々ハイスペックPCを必要とすることから、処理の負荷が高く、PCの故障にも繋がるため、この環境を構築する前に、PC内のデータのバックアップ環境も併せて整備した。
次に僕が開発したのが、ARだった。これはJavaScriptのライブラリをうまく使えば、専用アプリを使わずにWeb上でARを体験できるというもので、これを使えば気軽にARを体験してもらうことができる。
画像生成AIとAR、二つの技術を習得し、これを使って、どんなことができるのか、今から楽しみである。
夢見る街の新しい音色
初めてマルシェを企画したのは、5年前の2019年12月に遡る。あれは、まだ僕が静岡に来てから半年が経った頃だった。その後、世界中の人々の記憶にも新しい、あのパンデミックによりイベントの中止を余儀なくされた。
しかし、パンデミックで飲食店の営業時間が短くなり、露店での出店やキッチンカーによる販売が増えていき、僕の周りでも露店やキッチンカーを始める人が増えていった。
僕は思った。
「彼らのために何かできないか」と。
そう思った僕は、出店者さんを紹介するInstagramアカウントを作って、
マルシェイベントに出向き、
「県内の出店者さんを応援したく、お写真を撮らせていただき、Instagramに掲載してもいいですか?」
と声をかけまくった。
今では、フォロワーが800人を超え、多くの人に見てもらえるようになった。
また、パンデミックも収束したこともあり、ケンフィーは出店者さんのためになるマルシェを企画しようと立ち上がった。
オンラインとリアルの融合。
これがどんな形で着地することになるのか、まだ未知数だが、試行錯誤しながらマルシェの新しい可能性を構築していきたい。
街の新しい音色は、
近くまで聴こえていると信じて。
持続可能なASOBIの挑戦
スポーツに軸を置いて活動し始めてから、約2年の月日が経った2024年7月29日に、一般社団法人総合型地域スポーツクラブみんなのASOBIを設立した。
最初は、スポーツが苦手な初心者の方でも楽しめるように、講師の方にお願いしてスポーツイベントを開催していたが、子どもたちが参加するようになり、親も参加するようになって、気づけば幅広い世代でスポーツを楽しむコミュニティになっていた。
また、学校教員の働き方改革の一環で問題になっている「学校部活の地域移行」に関して、静岡県スポーツ協会や市役所にも伺うことが増え、社会的な活動の側面が強くなってきたこともあり、この度、一般社団法人の設立に至った。
何歳からでも何歳まででもスポーツでも楽しむことができる地域社会。
これからも経験の有無や年齢、国籍、性別関係なくスポーツを楽しめる居場所でありながら、教育機関や地方公共団体、NPOや企業と連携して、地域課題の解決を図っていきたい。
法人設立は、ゴールではなくスタート。
持続的なASOBIの挑戦は、ここから始まったに過ぎない。
この物語は、ケンフィーの1ヶ月間の出来事に基づいて作られたノンフィクション小説です。
ケンフィーの7月の1ヶ月間はこんな感じでした。