前回のあらすじ
中東のパレスチナは、三大宗教の交差点でありながら、現在歴史に翻弄され続けており、一方、太平洋のマーシャル諸島は、かつて米国の核実験場として利用され、今では地球温暖化による海面上昇で国土消失の危機に直面。万博を通じて、普段知ることのない世界の多様な問題を深く理解する重要性を再認識しました。
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今回は「万博で発見した“新しいアフリカ”の顔」と題して、コモンズD館で見た、文化・自然・未来への躍動を感じさせるアフリカの国々をご紹介します。
広大なアフリカ大陸には、音楽が生活に深く根付く国、ユニークな文化を持つ国、そして地球の未来を守る重要な役割を担う国など、驚きと発見に満ちた物語が広がっていました。
リベリア

西アフリカに位置するリベリアのブースでは、「サンバ」と呼ばれる楽器体験ができます。
僕も体験してみましたが、意外にも音を出すのが難しく、弾くようにしないと鳴らないという奥深さがありました。楽器体験を通じて、音楽が人々の暮らしに深く根付いていること、そしてこの国の背景が少し見えた気がしました。
サントメ・プリンシペ

赤道直下に位置する美しい島々の国、サントメ・プリンシペは、なんとアインシュタインが一般相対性理論を証明した場所だったと聞いて驚きましたが、赤道直下という地理的条件が、この壮大な科学的発見の証明に適していたとのことでした。
また、この国は植民地時代に導入されたプランテーションの影響で、カカオ、コーヒー、そしてさとうきびの栽培が発展し、今でも主要産業になっています。
コンゴ民主共和国

アフリカで2番目に大きな領土を持つコンゴ民主共和国は、日本の約6倍もの広大な国土に9,900万人が暮らしています。
中でも印象的だったのは、カラフルで洗練されたファッションに身を包み、優雅な立ち振る舞いをすることで知られる独自の文化「サプール」文化。カラフルで洗練されたスーツに身を包み、優雅に街を歩く――これがこの国の自己表現であり、誇りなのだといいます。
さらに、コンゴ民主共和国は鉱物資源が豊富で、私たちのデジタル化社会を支える一翼を担っています。また、広大な泥炭湿地(でいたんしっち)も存在し、泥炭湿地は植物の遺骸が分解されずに積み重なってできた湿地で、大量の二酸化炭素を吸収・貯蔵する能力があるため、「地球の肺」とも呼ばれているとのことでした。
ブルキナファソ
ブルキナファソの暮らしに欠かせないのが音楽とオートバイ。
特に人気なのが「ヤマハV80」。移動手段であると同時に、“いつか手に入れたい夢の象徴”でもあるとのことでした。女性が事業用に購入したり、男性が妻への贈り物に選ぶなど、生活の一部として深く根付いていて、「移動」=「自由」なのだと感じさせられました。
ナイジェリア

アフリカ最大の人口を誇るナイジェリアのブースでは、廃棄金属を活用したアート作品が展示され、環境への配慮と芸術的な再生の精神の共存を表現しているかのようでした。
またナイジェリアでは近年、民主主義が根づき、GDPも年々上昇中。カカオやコーヒーの主要輸出国でもあり、展示内容から活気ある未来を感じさせられました。
トーゴ共和国

トーゴでは、デジタル、エネルギー、医療などの分野で社会課題に挑戦する姿勢が強く伝わってきました。また「明日をつくるために今を変えよう」という意志が展示ににじんでいて、小さな国ながら、明確な未来ビジョンを持った国という印象を受けました。
マダガスカル

インド洋に浮かぶマダガスカル。展示には、ここでしか見られない動植物の写真がずらり。他の大陸と隔絶された環境で、独自の生態系が育まれていることが伺えました。
また温暖化や森林伐採によるリスクも同時に紹介されており、自然保護と人間の共存についても考えさせらる展示でした。
ギニア

「2040年に向けて、自分たちの国をつくる」
ギニアのブース展示では、2040年に向けて自分たちの国をつくるという強い意気込みが表れていました。他にもアフリカの国の展示では、このような「国づくり」をテーマにした展示が多く、アフリカの国々の発展を物語っていました。
マリ
ブース内に設置された伝統楽器の体験コーナーをはじめ、リズムを刻む人々の姿が生き生きと描かれていました。展示に触れながら、アフリカの音楽がどれほど多様で、そして人々の日常に根付いているのかを体感できました。
アフリカは54の国があり、それぞれに言葉があり、文化があり、未来があるーー今回触れた国々だけでも、音楽、科学、アート、ビジネス、環境と、多様な魅力が詰まっていて、何より、そのすべてが“これからをつくろうとする意志”にあふれていたのが印象的でした。